森田敦郎『野生のエンジニアリング タイ中小工業における人とモノの人類学』
タイには海外からの多国籍工場の他に、地元の中小工場が地元市場向けに製造や修理を行う
大学や専門学校の工学教育、政府の技術移転サービス、外資系工場などとは独立して発展
主に中古部品を使用
図面はなく、デザイン情報は部品そのものや見本で各工場に伝えられる
先進国では大抵の機械製品は各メーカーがデザインしたモデルごとに差異化
タイの土着の機械製品にはモデルはおろかメーカーの差異もない製品が少なくない
むしろ互いの製品模倣しあう
実質的に同じものを別のメーカーが製造する状況になっている
先進国に技術と表裏一体
日本台湾韓国で生産された鋼材が原料、日本の中古の工作機械、中古部品
文化的な違いを反映したものなのか?
機械の関係的な性格に焦点を当てる
自然と文化の対立に依拠することなく機械技術の多様性と、それを取り巻く人々の集合的な生のあり方を記述することを目指す
機械は途上国に導入されると、トラブルを経験しながら人々を巻き込んでいく
修理のための部品や消耗品が手に入らなかったり、現地の環境と合わなかったりする
hysysk.icon 永田さんの映像作品でパッタイをうどんで代用する話を思い出した
土地に定着するために機械と人の間に新たな関係性が形成されなければならない
1960年代植民地期のジャワにおける水田耕作
村落組織を通して水田に労働力を投入、収穫を多数に分配することで貧困を共有する内向的な発展
クラフトや手工業生産
徒弟制度と親族制度の連続性
仕事上の分業と地域における社会的地位、親族などとの間に一致がみられる
生産が社会関係に埋め込まれている
ブルデュー
モースの身体技法
ハビトゥス
ウォーナー
ヤンキーシティ
クラフト生産方式から機械化に伴う分業の変化と吸収合併
技術システム、現場の職制、地域社会での社会階層の一致を掘り崩して混乱、ストライキ
資本主義や産業化は従来考えられていたような一枚岩的なものではない
工場の進出が葛藤とともに新たな文化の生成をもたらす